窒素がダイバーの命を狙う!減圧症の基礎知識まとめ

diving-378214_640
Pocket

この記事の所要時間: 510

ダイバーにとって、時に命を脅かすこともある減圧症
毎年約1,000人のダイバーが減圧症になっていると見積もられており、
決して遠い世界の出来事ではありません。

今回は、減圧症ついて、基本的な内容を整理してみましょう。

 br_banner_kujira diving88_31⇔応援ポチッとお願いします(^^)b

年間1,000人のダイバーがかかる減圧症

減圧症とは、
水中の深い所から浅い所へ急激に浮上したときに、
体の周りの圧力が急激に下がることで
体に生じるさまざま異常のことを差します。

圧力が急激に下がると、体に溶け込んでいた窒素が、
大きな気泡となって血管をふさいだり、
組織を圧迫したりします。

そのために、
身体のしびれ痛み
皮膚の違和感めまいなどが現れます。

減圧症は、
10,000件のダイビングに対して
2〜4件という頻度で発生すると推定されています。

一見少ないように見えますが、
実際に減圧症にかかるダイバーは、
全国で年間1,000人程いると見積もられており、
ダイバーにとっては決して珍しい症状ではありません。

最大の要因は「急浮上」

減圧症が起こる最大の要因は、急浮上することです。
圧力が高い深い場所を長く潜水した後ほど、
急浮上した際に症状が現れやすくなります。

また、
体調不良や前日の飲酒、
脱水や疲労、肥満なども、
減圧症を起こりやすくする間接的な要因となります。

ダイビング後に激しい運動をしたり、
飛行機に乗ったりすることも、
減圧症を引き起こす要因となります。

このように、
直接のきっかけは急浮上によって圧力が下がることですが、
日々の習慣健康状態なども背景として存在しているのです。

窒素が溶け込んだ状態を維持できなくなり気泡になる

そもそもなぜ、周囲の圧力が急激に下がると、
窒素が気泡になってしまうのでしょうか。

窒素は、
普段私たちが呼吸している空気の3/4を占めている気体です。

窒素は、呼吸によって肺から血液中に取り込まれます。
周囲の圧力が地上と同じで変化しなければ、特別に問題は起こりません。

しかし、周囲の圧力が高い場所、
たとえば水中の深い場所などでは、
血液に溶け込む窒素の量が多くなります。

この状態で、急浮上により周囲の圧力が急激に下がると、
血液にたくさん取り込まれていた窒素が、
溶け込んだ状態を維持できなくなり、
大きな気泡をつくって出てきてしまうのです。

この気泡が、血液中や臓器の中など、
全身の至るところで出現するため、
血管をふさいだり、組織を圧迫したりして、
減圧症の症状を引き起こすのです。

症状の重さによって2つのタイプがある

減圧症は、症状の重さによって2つのタイプに分けられます。
一つは、比較的症状の軽いⅠ型減圧症
もう一つは、症状の重いⅡ型減圧症です。

Ⅰ型減圧症は、
関節筋肉の痛みをはじめ、
皮膚のかゆみ斑点
発疹が見られることもあります。
Ⅰ型の症状は比較的軽く、
一般的に命にかかわることはないと言われています。

一方、Ⅱ型減圧症は、
麻痺しびれなどに始まり、
うまく話せなくなる[言語不明瞭]、
目が見えなくなる[失明]、
精神錯乱状態
昏睡[こんすい]など重い症状が起こることが特徴です。

これは、気泡によって
脊髄や脳、肺や心臓など、
生命を維持するために不可欠な臓器が傷つくために起こるもので、
時として命に関わることもあるのです。

これらの症状は、
急浮上して数分で出現することもあれば、
陸に上がって数時間経過してから出る場合もあります。
時には、
ダイビング後数日たってから症状が出ることもあるため、
ダイビング後はしばらくの期間、
そういった症状が出ないかどうか注意する必要があります。

また、しびれや痛み[神経症状]よりも症状が重い場合は、
いくら安静にして休んでも自然に回復することはありません。

必ず、医療機関を受診して、
窒素を体から追い出すための治療を受ける必要があるのです。

高気圧酸素治療で窒素を追い出す

減圧症の治療では、「高気圧酸素治療」という治療を行います。
これは、圧力の高い部屋で、
100%酸素に満たされた空気を吸い込む治療であり、
体の中を酸素で満たすことで、窒素を早く体外へ追い出すことができます。

症状が出た場合は、
できるだけ早く高気圧酸素療法を受けることが望ましいのですが、
治療を受けるまでに時間がかかる場合は、
一時的ではありますが、
酸素吸入などの応急手当が行われることもあります。

※酸素吸引は、日本において医療行為にあたりますので、
 酸素を与える際には、潜水事故者の確認同意が必要になります。
 [インフォームドコンセント]

症状が軽い場合は、1回の治療で十分に回復しますが、
症状が重い場合は、完治までに10回を超える
高気圧酸素治療が必要になることもあるようです。

減圧症は再発しやすい

減圧症で恐ろしいのは、一度症状が出ると、
回復後も再発しやすい特徴があるところです。

治療後にダイビングを再開するときは、
しびれや痛みのない軽い減圧症であれば、
症状が完全に回復してから3か月以上

しびれや痛み・疲労感などを感じる重い減圧症では、
6か月以上の期間を開けるようにしましょう。

それより短い期間でダイビングを行うと、
減圧症を再発するリスクが高くなります。

いかがでしたか.
症状が重いと命に関わる減圧症。

ダイビングを行う方は、減圧症のことを良く知って、
いざ疑わしい症状が出たときに見逃してしまわないよう注意しましょう。

image4247「もう少しだけ、ゆっくりしていきませんか?」

他にどんな記事があるか見てみる?
⇒ サイトマップ
ご来訪いただき誠にありがとうございます♪

 

潜水士試験に合格!専門サイトはじめます

↓ をクリックして下さいね♪

ヘッダー_R

Pocket

港湾潜水技士 松山だいすけ

港湾潜水技士 松山だいすけ港湾潜水技士

投稿者プロフィール

1980年東京都稲城市生まれ。元動物看護士。
現役の港湾潜水技士であり、実業家。
『潜水士試験合格アドバイザー』
昨年12月に、横浜にてセミナー講演を行う。
■□■□■
 いつでもどこでも気軽に学べ、現役のプロダイバーが伝える、
どこよりもわかりやすいオリジナル『潜水士試験』教材を開発する。
 潜水士、インストラクターを目指す人に教えている。
資格取得後も、人材派遣の紹介で潜水士に限らず、他業種の仕事をあっせんをする等、幅広く活躍中。
 ダイバー関連雑誌取材紹介あり、ラジオ番組出演等あり。

この著者の最新の記事

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

【潜水士試験】本気で合格を目指す教材

潜水士試験

【メルマガ】

メルマガ
ページ上部へ戻る