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海洋温度差発電とは?

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海洋温度差発電では、

海洋表層の温水深海の冷水温度差を利用して発電を行います。

 

海水の表層100m程度までの海水には、

太陽エネルギーの一部が熱として蓄えられており、

水の温度が20〜30℃と温かいのですが、

そこから垂直に1000m程潜った

深層海水では温度が4〜6℃と冷たくなっています。

 

この深層の冷たい海水を表層へと汲み上げ、

温水との温度差をエネルギーに変えていくのが

海洋温度差発電(OTEC)です。

 

海洋エネルギーを利用した新しい発電方法の試みはたくさんありますが、

この海洋温度差発電は赤道をはさむ南北40℃の範囲で可能となっており、

設置可能な国は98ヶ国に及ぶなど、今度の開発に期待がされる新エネルギーの一つです。

 

もしも、この建設可能なエリアに発電所を立てていったとしたら、

1兆kWもの発電量を期待することが出来ると言われています。

 

 

・海洋温度差発電の仕組み

海洋温度差発電では、

海面と深海の温度差を利用して”熱”を発生させ発電を行いますが、

その方法の主なものとして、

オープンサイクル と クローズドサイクルの二通りがあります。

 

もちろん、どちらの方式を利用しても、

二酸化炭素の排出が無いことに変わりはありません。

 

オープンサイクルでは、熱帯の温水を使用し、

低圧煮沸器と呼ばれる低い沸点で水を沸かすことの出来る機器へと温水を引き込み、

気化させた後にその水蒸気を利用してタービンを回します。

 

クローズドサイクルでは、液化したアンモニアを表層の水で気化し、

気体になったアンモニアを利用してタービンを回します。

気体となったアンモニアは深層水で再び液化することで、再利用が可能となっています。

 

さらにクローズドサイクルを改良した発電方法として

日本の上原春男教授(現・海洋温度差発電推進機構理事長)が発明した

ウエハラサイクルというものがあります。

 

作動流体にアンモニアと水の混合液を使用することで、

これまでよりも少ない取水量からでも大きな電力を取り出すことが出来るようになりました。

 

この方法を用い、インド洋で実際に電力を作り出すことに成功した流れもあって、

世界中から海洋温度差発電は注目されることとなりました。

 

ちなみにこのウエハラサイクルは日本だけでなく、

世界の主要国で特許が出願されています。

 

・海洋温度差発電のメリット・デメリット

海洋温度差発電のメリットとしてはなんといってもクリーンなエネルギーであり、

その大元となる海水が地球には有り余る程存在していることです。

 

地球の7割は海ですから発電所を建設可能な国が多く、

再生可能エネルギーの中で、特にCO2の排出が少ないのも利点です。

 

また、昼夜を問わず発電することが可能で、

更には二次利用が出来る点も大きなメリットとなります。

 

海洋温度差発電に使用する深層水はただ汲み上げるだけではなく、

汲み上げた後にまで価値が残ります。

 

汲み上げた海水に含まれる豊富なプランクトンは、

養殖などの漁業に利用できますし、

 

オープンサイクルでの発電では、

塩分が低圧煮沸器に残りますので、

塩業や残った真水をミネラルウォーターの製造に利用するなど

その後の活用幅は広いです。

 

それだけでなく、農業やレアメタルの採取といった分野にも期待が出来ます。

 

反対に海洋温度差発電のデメリットですが、

表層部分へこれまで存在しなかった冷たい深層水を汲み上げることによって、

そこで活動をしている生態系への影響が懸念されます。

 

多くの発電を行おうとすればするほど、棲みにくくなる生物が増える事となります。

 

また施設が大規模になっていった際には海流を乱してしまう恐れもありますので、

設置には細心の注意を払うことが必要です。

 

・日本での取り組み

実は、日本では海洋温度差発電の技術がトップレベルあり、

ウエハラサイクルの発明者である上野教授がかつて研究を進めていた

佐賀大学では新たに沖縄での研究を進めています。

 

これは、沖縄本島の西約100キロの久米島で、

2013年よりクローズシステムの世界唯一の実用実証プラントを設置するものであり、

現在稼働しています。

 

ここでは、ただ発電を行うだけではなく、

エビの養殖や野菜の栽培に海洋深層水を活用する

未来を見据えたプラントであり、

現在では海洋深層水複合利用

「久米島モデル」 として、農業や水産業などの多くの施設が運営されています。

 

海洋温度差発電では、

表層と深層の水温が年間平均で20度以上必要で、

その差が大きいほどに良いのですが、

 

久米島はその条件を満たすとともに、

陸地から深海までの距離が2.3キロと

とても近いのが実証に選ばれた理由だと言えます。

 

現在の時点で、1時間に50KWの発電が可能であり、

これはおよそ120世帯の電気量なのですが、

費用の問題さえクリア出来ればプラントを増やすことで

沖縄本島全域までをカバーすることも可能だそうです。

 

海洋深層水の二次利用をしたいという企業を募れば

さらにコストを下げることが出来ると期待できますので、

今後「久米島モデル」 が広がっていく可能性は大いにあります。

 

日本発で海洋温度差発電が普及していく未来に希望を抱かずにはいられません。

 

 

【参考サイト】

NPO法人海洋温度差発電推進機構
http://www.opotec.jp/japanese/

日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD260FC_W3A420C1000000/

スマートジャパン
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1306/17/news012.html

NetIB-NEWS
http://www.data-max.co.jp/2013/05/03/070034_yng_1.html

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港湾潜水技士 松山だいすけ

港湾潜水技士 松山だいすけ港湾潜水技士

投稿者プロフィール

1980年東京都稲城市生まれ。元動物看護士。
現役の港湾潜水技士であり、実業家。
『潜水士試験合格アドバイザー』
昨年12月に、横浜にてセミナー講演を行う。
■□■□■
 いつでもどこでも気軽に学べ、現役のプロダイバーが伝える、
どこよりもわかりやすいオリジナル『潜水士試験』教材を開発する。
 潜水士、インストラクターを目指す人に教えている。
資格取得後も、人材派遣の紹介で潜水士に限らず、他業種の仕事をあっせんをする等、幅広く活躍中。
 ダイバー関連雑誌取材紹介あり、ラジオ番組出演等あり。

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