事故の原因は?健康機器「減圧室」のリスクに関する考察

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「減圧室」という健康機器をご存じでしょうか?
通常よりも気圧の低い環境に身を置くことで
健康効果が得られるとされる機器です。

先日、埼玉県のある温泉施設を訪れていた男女2名が、
減圧室使用中に室内で倒れ、
その後に死亡が確認されるという事故が起こりました。

この機器は、低圧環境を作り出すものであるため、
低い気圧にさらされたことによる影響があったものと考えられます。

今回は、最近起こった減圧室での事故の原因について、
気圧の低い環境が人体に与える影響を踏まえながら、考察してみましょう。

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高度3,500m、0.67気圧まで減圧する機器

事故の起こった減圧室は、
通常よりも気圧の低い環境を作り出すことで、
健康効果があると謳う設備でした。

もっとも低い気圧で、
高度約3,500m、
富士山の山頂と同程度の、
約0.67気圧[約670hPa]まで下げることができたようです。

減圧を行っている時間は、
正常な運転であれば、約45分間。

この時間の最初と最後の15分間は、
減圧と再加圧の時間だったようです。

 

つまり、

 

入室後、室内の気圧を下げるための
減圧」にかかる時間、15分間。

富士山の山頂と同程度の気圧になった室内にて、
「減圧中」、15分間。

室内の気圧を地上と同じ気圧にするための
「加圧」にかかる時間、15分間。

合計45分間かかります。

事故は、通常なら45分で室外へ出てくるはずのお客さんが
50分を超えても出てこないことを
不審に感じた従業員さんによって発見されました。

その他事故の詳細は、各新聞のサイトに掲載されています。

ご参考URL:
⇒ 埼玉新聞「入浴施設の減圧室で男女2人死亡/ふじみ野」
ご参考URL:
⇒ 朝日新聞「入浴施設の減圧室で客2人死亡 富士山頂並みの気圧」

 

その時何が起こったのか?

ニュース記事では、死因等について直接的な原因は明らかにされていませんが、
原因についての可能性を考えてみると、以下のものが挙げられます。

●減圧症
減圧症は、通常、ダイバーが潜水から浮上する際に、
周囲の圧力が下がることで起こる症状です。
軽いものでは、四肢のしびれ筋肉・関節痛が起こりますが、
重傷の場合は死に至る可能性もあります。

また、陸に上がった直後に症状が出ていなくても、
時間をおかずに飛行機に乗ったり、
標高の高い所を移動したりすると症状が出始めるケースもあります。

そのため、
潜水後に標高400m以上の所を通る必要がある場合は、
安全のために12時間以上の時間を置くことが必要です。
ご参考URL:
⇒ 「減圧症の基礎知識のまとめ」の記事はこちら。

 

減圧室という機器では、
もっとも低い気圧で標高3,500m相当でした。

通常の1気圧の環境から3,500mの環境に
短時間で移動したのと同じ状態であったと考えると、
減圧症の症状が出現する可能性は否定できません。

●高山病
高山病は、文字通り、

高い山に慣れていない人が高山地帯に移動した際に起こりやすい症状です。

頭痛吐き気、意識障害などが起こり、
重症になると脳や肺に水が溜まって[脳浮腫、肺水腫],
死に至る可能性もあります。

これらの症状は、気圧が低いことで酸素の取り込みが少なくなり、
酸欠状態となることで起こるものです。
とくに心臓や肺の機能が弱っている人では起こりやすくなります。

高山病は、海抜0m付近から標高差2,500m
1日で移動した場合に起こりやすいと言われています。

事故の起きた減圧室の仕様では、
約15分で標高3,500m相当まで移動するのと同じ状況であるため、
高山病の症状に見舞われた可能性が強く考えられます。

●機器の異常
さらに、ニュース記事によると、

本来なら45分で再加圧が終了して
勝手に開くはずの減圧室のドアがなかなか開かず、

発見から助け出すまでに約30分を要していることが伺えます。

このことから、機器の故障もしくは誤作動によって、
気圧が想定よりも大幅に下がっていた可能性も否めません。

この場合、気圧が低くなればなるほど、
減圧症や高山病の症状は出現しやすくなります。

加えて、症状への対処は助け出されるまで行われないため、
命に危険を及ぼす可能性は高くなります。

減圧室に健康効果はあるのか?

私たちの体は、標高が高く、圧力が低い所では、
以下のような変化を通して環境に順応していきます。

●呼吸数の増加
●赤血球数の増加
●毛細血管の拡張
●ミトコンドリアの増加

このような変化を通して、
体は、高地でもたくさんの酸素を体に取り込めるように、
適応するのです。

しかし、このような適応反応が完成するには、
数週間から数十日もの長い期間
高山の環境に居続ける必要があります。

アスリートが、心肺機能を高めるために
何週間も高山トレーニングを行うのはこのためです。

減圧室では、もっとも低い気圧にさらされる時間は、
わずか15〜20分程度です。

その時間が終わると、再び通常の気圧に戻ります。

したがって、
心肺機能を高めたり?
血行を促進したりする効果?がある可能性は否定できませんが、
その効果は、極めて限定的であると思わざるをえません。

 

ぶっちゃけ、こちらの設備は、
私個人の意見としては、よくわからないですね(汗)

 

いかがでしたか。
期待される健康効果だけでなく、
減圧症高山病といったリスクも考えられる低圧の環境。

今回の事故原因が1日も早く明らかになり、
二度とこのような不幸な出来事が起こらないことを切に願います。

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港湾潜水技士 松山だいすけ

港湾潜水技士 松山だいすけ港湾潜水技士

投稿者プロフィール

1980年東京都稲城市生まれ。元動物看護士。
現役の港湾潜水技士であり、実業家。
『潜水士試験合格アドバイザー』
昨年12月に、横浜にてセミナー講演を行う。
■□■□■
 いつでもどこでも気軽に学べ、現役のプロダイバーが伝える、
どこよりもわかりやすいオリジナル『潜水士試験』教材を開発する。
 潜水士、インストラクターを目指す人に教えている。
資格取得後も、人材派遣の紹介で潜水士に限らず、他業種の仕事をあっせんをする等、幅広く活躍中。
 ダイバー関連雑誌取材紹介あり、ラジオ番組出演等あり。

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